著者:北村想
出版者:早川書房
出版年:1995年
叢書名等:ハヤカワ文庫JA〈JA535〉
定価:560円(本体544円)

 現在劇場公開中の佐藤嗣麻子監督、金城武主演『K-20 怪人二十面相・伝』の原作。私自身は予告編を見て「相変わらず邦画は特撮がしょぼいな」と思っていたのだが、けっこう評判が良いようなので、とりあえず原作を読んでみた。

 なるほど、怪人二十面相はいかにして「怪人二十面相」となったのか、サーカス団員:平吉(金城武)はどのような生まれ育ちでなぜサーカスで働くことになったのか等が戦中・戦後の風俗をからめ描写されていて楽しい。ただし、この原作での平吉は終盤にはオトナになっているものの、物語の大半を通じてこどもである(小林少年よりも年少!)。なので、未見ではあるが、映画では設定がかなり改変されたと想像できる。そう、明智小五郎の令嬢との結婚式の話なんて全く出てこないしね。そういう意味では、映画は映画で新鮮に味わえるかもしれないな。風邪が治ったら見に行こう。

 ところで、私が読んだのは文庫本であるが、もとは新潮社から出版されたらしく、巻末には当時のあとがき、文庫本のためのあとがき、そして映画監督:林海象による解説が収録されている。それらを読むと、原作者も映画人も随分と前からこの小説の映像化を望んでいたことがわかる。タイミングの問題もあり、原作が世に出てから約20年経ってしまった今、原作者、そして「誰かこの本を僕に映画化させてくださいませな。」(307頁)と述べていた林監督は、佐藤監督版をどのように評価しているのであろうか? ちょっと気になるところである。



怪人二十面相・伝 (ハヤカワ文庫JA)
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映画『K-20 怪人二十面相・伝』製作記
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